- 霧島が14場所ぶり3度目の優勝を達成、史上3人目の大関返り咲き
- 14日目に3人全員が敗れる44年ぶりの珍事と懸賞本数の地方場所最高記録
- 29歳の霧島に横綱昇進の可能性はあるか、夏場所以降の展望
2026年春場所、霧島が14場所ぶり3度目の幕内優勝を果たし、史上3人目の「平幕からの大関返り咲き」を決めた。首のけがで大関陥落、関脇まで番付を落としてからの逆襲劇。千秋楽を待たずに14日目の優勝決定は、44年ぶりの珍事が引き金だった。
霧島の14場所ぶり優勝はなぜ「事件」と言われるのか

14日目に上位3人全員が負ける44年ぶりの珍事
今場所のクライマックスは14日目に訪れた。優勝争いのトップ3がこの日に全員敗れるという、44年ぶりの珍事が発生。この結果、霧島の優勝が千秋楽を待たずに決まった。
通常、優勝争いは千秋楽の最終取組で決まることが多い。14日目に決着がつくのは、よほど星取りの巡り合わせが重ならない限り起きない。「まさかの展開」に館内は騒然となった。
懸賞本数2,481本は地方場所の最高記録
春場所の懸賞本数は2,481本に達し、地方場所としての最高記録を更新した。東京以外での場所でこの数字は異例だ。
懸賞の多さは注目度の高さの指標になる。霧島の復活ストーリー、横綱不在の中での優勝争い、若手力士の台頭。複数の話題が重なったことで、スポンサーの懸賞出稿が激増した格好だ。
首のけがで大関陥落、そこからの長い復帰ロード
霧島が大関から陥落したのは2024年。首のけがが原因で成績が急落し、大関維持の基準(2場所連続負け越しで陥落)に引っかかった。
関脇に落ちてからも首の状態は完全には回復せず、思い切った相撲が取れない時期が続いた。それでも愚直に稽古を続け、体幹トレーニングで首への負担を分散させる工夫を重ねてきた。今回の優勝は、その積み重ねの結果だ。
史上3人目の大関返り咲きが「伝説級」と言える理由

現行制度で大関に「2度なった」力士は片手で数えられる
大関に昇進すること自体が大変なのに、一度陥落してからもう一度大関に戻るのは、さらに困難な偉業だ。現行の昇進制度のもとで、大関に2度就いた力士は片手で数えられるほどしかいない。
陥落後に番付を上げるには、関脇以下で「3場所合計33勝以上」が目安とされる。怪我を抱えながらこの基準をクリアするのは、体力面だけでなく精神面でも相当な負担だ。
照ノ富士の「序二段→横綱」と霧島の共通点
近年の復活劇といえば、照ノ富士の例が有名だ。大関から序二段まで番付を落としながら横綱まで登り詰めた、前代未聞のストーリー。
霧島の場合は番付の下落幅こそ照ノ富士ほどではないが、「けがで落ちてから這い上がった」という構造は共通している。どちらも「一度死んだキャリアの復活」であり、ファンの心を掴む要素だ。
昇進伝達式の口上に込められた覚悟
大関再昇進が正式決定した際の伝達式で、霧島がどんな口上を述べるかに注目が集まっている。前回の大関昇進時は「感謝の気持ちを忘れず」だった。
一度陥落を経験した力士の口上には、独特の重みがある。「落ちた経験」を踏まえた言葉は、他の力士にはない説得力を持つ。口上の一言一言に、この14場所の苦闘が凝縮されるだろう。
霧島は横綱になれるのか?夏場所以降の展望

横綱昇進には「2場所連続優勝かそれに準ずる成績」が必要
横綱昇進の内規は「大関で2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」だ。霧島が横綱を狙うなら、まず大関に復帰した上で2場所連続で好成績を残す必要がある。
仮に夏場所で優勝、名古屋場所でも優勝か準優勝なら横綱昇進が現実味を帯びる。ただしこれは相当にハードルが高いシナリオだ。
29歳の霧島に残された「横綱への時間」はあと何年か
霧島は現在29歳。力士としてはまだ脂が乗る年齢だが、横綱昇進を目指すなら時間は限られている。30代に入ると怪我のリスクが急増し、体力の維持も難しくなる。
ここ2〜3場所が勝負の期間だろう。大関に復帰して即座に横綱昇進レベルの成績を出せるかどうか。チャンスの窓は開いているが、閉じるのも早い。
「一度落ちた男の逆襲」が角界を盛り上げる理由
相撲ファンがなぜ霧島に注目するのか。それは「順風満帆なエリートの優勝」よりも「どん底から這い上がった男の逆襲」のほうが、物語として圧倒的に面白いからだ。
まとめ
霧島が14場所ぶり3度目の優勝で史上3人目の大関返り咲きを決めた。首のけがで陥落してからの長い復帰ロード、44年ぶりの珍事が重なった劇的な優勝決定。29歳、横綱昇進の可能性も見えてきた。角界が最も面白くなる瞬間は、こういう「逆襲の物語」がある時だ。



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