業務スーパーで売っているラップ、実は2種類ある。緑パッケージと赤パッケージで素材がまるで違う。「切れない」「くっつかない」と感じたなら、たぶんそれ、ハズレのほうを買っている。
業務スーパーのラップは2種類!緑パッケージと赤パッケージの違い
結論から言うと、業務スーパーにはPVC製の緑パッケージとPE製の赤パッケージがある。素材が違えば性能も全然違う。
緑パッケージ「プロ好みのラップ」はPVC製——プロが選ぶ理由
業務スーパーの定番といえば、緑パッケージの「プロ好みのラップ」だ。
macaroniの調査によると、素材は塩化ビニル樹脂(PVC)で、製造元は兵庫県の株式会社アダチ。
耐熱温度は130℃。電子レンジにも問題なく使える。
PVCの最大の強みは、伸縮性と密着性だ。お皿やボウルのフチにぴったり張りつく。飲食店で業務用ラップといえばPVC製が主流で、「プロ好み」の名前はダテじゃない。
赤パッケージはPE製——安いけどクセがある
もうひとつ、赤パッケージのラップも売っている。こちらはポリエチレン(PE)製。
PEは添加物が少なく、燃やしても塩素ガスが出ないので環境には優しい。折兼ラボによれば、無添加タイプのラップはほぼPE製だ。
ただし、密着性がかなり弱い。お皿に被せてもフワッと浮く。切るときも刃に引っかかりにくくて、引っ張ってもビヨーンと伸びるだけ。
価格は緑より少し安いが、使い勝手の差を考えると正直おすすめしにくい。
価格差はわずか——30cm×100mで約261円の緑が圧勝
緑パッケージの「プロ好みのラップ」は、30cm×100mで約261円(税込)。22cm幅なら約250円、15cm幅なら約205円だ。
一方、大手メーカーのサランラップやクレラップ(PVDC製)は30cm×50mで約300〜400円。長さ半分で値段は高い。
日本経済新聞の報道でも、PVDC製ラップは国内市場で2強状態が続いているが、価格帯は業務スーパーの倍以上になる。
業スーの緑パッケージは、性能と価格のバランスでは相当優秀だ。口コミ評価も4.33点/5点(1,101件)と高い。

「切れない・くっつかない」の原因は素材だった|PVC・PVDC・PEの性能比較
ラップが切れない、くっつかない。その不満の原因は、あなたの使い方ではなく「素材」だ。ラップの素材は3種類あって、それぞれ性格がまるで違う。
ラップ素材は3種類——PVDC・PVC・PEで何が違うのか
食品安全委員会のファクトシートによると、家庭用ラップフィルムの素材は大きく3つに分かれる。
・PVDC(ポリ塩化ビニリデン):耐熱140℃/密着性◎/バリア性◎/サランラップ・クレラップに使用
・PVC(塩化ビニル樹脂):耐熱130℃/密着性○/バリア性○/業スー緑パッケージに使用
・PE(ポリエチレン):耐熱110℃/密着性△/バリア性△/業スー赤パッケージ・無添加ラップに使用
一番高性能なのはPVDCで、旭化成ホームプロダクツも酸素バリア性と密着性でPVDCが頭ひとつ抜けていると説明している。
PEラップが「切れない」のは構造的な問題
PE製ラップで「切れない」と感じる人が多いのは、素材が柔らかくて伸びやすいからだ。
箱の刃で切ろうとしても、ラップが伸びるばかりで切断面がきれいにならない。PVCやPVDCのように「パリッ」とは切れない。
密着性も弱いので、お皿に被せても端がめくれてくる。冷蔵庫に入れておくと、いつの間にか剥がれてラップの意味をなしていない——なんてことも起きる。
「業務スーパーのラップはダメだ」という口コミは、大半がこのPE製を買ってしまったケースだと思われる。
耐熱温度30℃差の落とし穴——電子レンジは要注意
もうひとつ気をつけたいのが耐熱温度だ。
PVDC製は140℃、PVC製は130℃、PE製は110℃。
普通に「ごはんを温める」程度なら110℃でも足りる。だが、油分の多い料理を電子レンジで温めると、油の温度が一気に上がってラップの耐熱を超えることがある。
食品安全委員会の季刊誌でもラップフィルムの溶出について解説されているが、耐熱温度を超えると変形・溶解のリスクがある。カレーやシチュー、唐揚げの温め直しには、PE製ラップはちょっと心もとない。

失敗しないラップの選び方|用途別おすすめ使い分けガイド
全部をPVDCの高級ラップにする必要はない。用途に合わせて使い分けるのが一番賢い。
電子レンジ加熱が多いなら——PVDCかPVCを選べ
油モノの温め直しが多い家庭なら、耐熱温度が高いPVDCかPVCを選ぶのが安全だ。
業務スーパーの緑パッケージ(PVC・130℃)でも、ほとんどの用途には十分。油たっぷりの料理を高ワットで長時間加熱するような場面だけ、サランラップやクレラップ(PVDC・140℃)を使えばいい。
要は、電子レンジ用には最低でもPVC以上。PE製だけは避けたほうがいい。
ニオイ移りが気になるなら——PVDC一択
肉や魚を冷凍保存する、キムチやカレーなどニオイの強い食品を保存する。そういう場面では、PVDCの酸素バリア性が威力を発揮する。
旭化成の公式サイトでも、PVDCは酸素と水蒸気の透過率が圧倒的に低いと明記されている。
PVC製やPE製だと、冷凍庫の中でニオイが移ったり、食品が乾燥しやすい。長期保存には向かない。
冷凍ストック派の人は、ここだけはケチらずPVDC製を使うのが正解だ。
コスパ最優先なら——業スー緑パッケージが最適解
毎日の「ちょっとラップする」用途、残り物にフタをする、おにぎりを包む、そんな日常使いなら業務スーパーの緑パッケージが最適解だろう。
100mで約261円。大手PVDC製の半額以下で、密着性も十分。
ラップフィルムの国内市場規模は日本経済新聞の報道によれば約1,246億円。原材料費や物流費の上昇で値上げも続いている。日常使いのコストを下げるなら、業スーのPVC製は相当頼りになる。
赤パッケージ(PE製)は、野菜の一時保管やおにぎりを軽く包む程度なら使えるが、万能選手ではない。迷ったら緑を買っておけば、まず間違いない。




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